外国人を初めて採用することになった会社様から、「何を確認して、どんな手続きが必要なのか分からない」というご相談をいただくことがあります。
外国人の採用では、日本人の採用とは異なり、在留資格の確認やハローワークへの届出など、いくつかの手続きが必要になります。
この記事では、外国人を初めて採用する会社が確認すべきポイントと、必要な手続きを整理します。
在留カードの確認を怠ると、会社側が処罰の対象となる可能性があります。
まずは、採用前に確認すべきことから見ていきましょう。
結論
外国人を採用する際は、まず在留カードを確認し、就労が認められている在留資格かどうか、業務内容が在留資格の範囲内かどうかを確認する必要があります。確認を怠ると、不法就労助長罪に問われる可能性があります。
また、雇入れ後は、労働施策総合推進法に基づき、ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」を行う必要があります。
制度概要
外国人を雇用する場合、事業主には主に次の2つの確認・届出義務があります。
①入管法に基づく在留資格の確認
就労が認められない在留資格の外国人を雇用したり、在留資格で認められた活動の範囲外の業務に従事させたりすると、事業主が不法就労助長罪に問われる可能性があります。外国人が不法就労者であることを知らなかった場合でも、在留カードの確認を怠るなどの過失があれば、処罰を免れません。
確認の際は、在留カードの原本を目視で確認するだけでなく、出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」を使ってICチップの情報を読み取り、記載内容と一致しているかを確認することも有効です。偽造カードの見分けにもつながります。
②労働施策総合推進法第28条に基づく「外国人雇用状況」の届出
特別永住者、在留資格「外交」「公用」の方を除き、外国人を雇用するすべての事業主に、雇入れ・離職の際にハローワークへの届出が義務付けられています。
採用時に必要な手続き
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 在留カードの原本確認 | 氏名・在留資格・在留期間・就労制限の有無等を確認。就労制限がある場合や資格外活動許可を要する場合は、業務内容が範囲内かもあわせて確認 |
| 在留資格変更の要否確認 | 留学生を正社員として採用する場合など、現在の在留資格では就労が認められない場合は、在留資格変更許可申請が必要 |
| 外国人雇用状況の届出 | ハローワークへ届出。雇用保険加入者は資格取得届に在留カード番号等を記載、加入しない場合は別の届出書を提出 |
| 就労資格証明書の確認・活用 | 業務内容が在留資格に適合しているか判断に迷う場合、本人が取得を検討できる任意の証明書 |
注意点
在留カードの確認は、コピーを取るだけでなく原本を確認し、有効期限や就労制限の有無を必ず確認することが重要です。「知らなかった」では処罰を免れられない点に注意が必要です。
求人票の職種名や業界の慣習だけで、その業務が在留資格の範囲内かどうかを判断することはできません。実際の業務内容を確認する必要があります。
実務上、初めて外国人を採用する会社様からは、「在留カードは確認したが、届出のことを知らなかった」というご相談をいただくことがあります。採用が決まったら、在留資格の確認と届出の準備を並行して進めることをおすすめします。
よくある質問
在留カードを確認すれば、届出は不要ですか?
在留カードの確認と、ハローワークへの外国人雇用状況の届出は、それぞれ別の義務です。在留カードを確認していても、届出を行わなければ、労働施策総合推進法上の義務違反となります。
外国人雇用状況の届出を忘れるとどうなりますか?
届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合は、30万円以下の罰金の対象となります。
留学生をアルバイトから正社員として採用する場合、何を確認すればいいですか?
留学生の在留資格「留学」では、原則として就労は認められておらず、資格外活動許可の範囲内でのアルバイトのみが可能です。正社員として就労させる場合は、在留資格変更許可申請が必要になることが多いため、早めに確認することをおすすめします。
まとめ
外国人を初めて採用する際は、在留カードの確認と、ハローワークへの外国人雇用状況の届出という、2つの手続きを押さえておくことが基本になります。確認を怠ると会社側にもリスクが及ぶため、採用が決まったら早めに準備を進めることをおすすめします。
LIS行政書士事務所では・・・
LIS行政書士事務所では、千葉県松戸市を拠点に、外国人従業員の在留資格変更・更新に関するご相談を承っています。
「初めて外国人を採用するので、何を確認すればいいか分からない」という状況でも、不安をあおるのではなく、必要な確認事項を一緒に整理いたします。
ご自身の会社の状況でどのように対応すればよいか分からない場合は、早めに専門家へ確認することをおすすめします。

