技術・人文知識・国際業務(技人国)の在留資格をお持ちの方から、「会社を辞めたら、在留資格はどうなりますか」というご質問をいただくことがあります。
退職したからといって、在留資格がすぐになくなるわけではありません。
この記事では、技人国の方が会社を辞めた場合に確認すべきことと、注意しておきたいポイントを整理します。
退職後、次の活動を始めないまま一定期間が過ぎると、在留資格が取り消される可能性があります。
まずは、退職後の基本的な流れから確認していきましょう。
結論
技人国の在留資格をお持ちの方が会社を辞めても、退職した時点で在留資格が自動的に失効するわけではありません。ただし、出入国在留管理庁への「所属機関に関する届出」を14日以内に行う必要があります。
また、正当な理由なく、技人国の在留資格に係る活動(就労)を継続して3か月以上行わずに在留していると、在留資格を取り消される可能性があります。
制度概要
入管法第22条の4第1項第6号では、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていない場合、法務大臣が在留資格を取り消すことができるとされています。ただし、当該活動を行わないで在留していることについて正当な理由がある場合は除かれます。
技術・人文知識・国際業務は、この規定が適用される在留資格の一つです。退職後、次の就職先が決まらずに就労していない期間が続く場合、この規定に該当する可能性があります。
退職時・退職後に確認すべきこと
- 退職が決まったら、出入国在留管理庁への「所属機関に関する届出」を14日以内に行います。
- 退職後は、できるだけ早く転職活動を始め、次の就職先を探します。
- 転職活動中であることや、その他やむを得ない事情がある場合は「正当な理由」として考慮される可能性がありますが、何が正当な理由に当たるかは個別の状況によって判断されます。
- 在留期間の更新時期が近い場合は、就労していない期間があることが更新審査にも影響する可能性があるため、早めに状況を整理します。
注意点
「3か月」という期間は、退職から次の就労開始までの期間を指すものであり、猶予期間として安心してよいものではありません。転職活動は退職後できるだけ早く始めることが大切です。
何が「正当な理由」に当たるかについて、出入国在留管理庁は個別の事情を総合的に判断するとしており、一律の基準は示されていません。断定的に「大丈夫」「危ない」と判断せず、状況を整理して確認することが重要です。
実務上、退職後の届出を後回しにしてしまい、次の転職先が決まった時点で慌てて確認するというご相談もあります。退職が決まった時点で、届出と転職活動の両方を並行して進めることをおすすめします。
よくある質問
退職してから3か月以内に転職先が決まれば大丈夫ですか?
3か月以内に技人国の範囲内の業務に就くことができれば、活動を行っていない期間が3か月未満となるため、この取消事由には該当しにくくなります。ただし、転職後の業務内容が技人国の範囲内かどうかも別途確認が必要です。
転職活動中であれば、3か月を過ぎても問題ありませんか?
転職活動を行っていることが「正当な理由」として考慮される可能性はありますが、一律に認められるとは限らず、個別の事情によって判断されます。心当たりがある場合は、早めに専門家や出入国在留管理庁にご相談ください。
退職の届出をしないまま転職活動をしても問題ありませんか?
所属機関に関する届出は、退職・転職に関わらず期限内に行う必要がある義務です。届出を行っていないこと自体が、公的義務の履行状況として今後の手続きに影響する可能性があるため、忘れずに行うことをおすすめします。
まとめ
技人国の在留資格をお持ちの方が会社を辞めても、在留資格がすぐに失効するわけではありませんが、正当な理由なく3か月以上就労しない状態が続くと、在留資格を取り消される可能性があります。退職が決まったら、届出と転職活動を早めに進めることが大切です。
LIS行政書士事務所では・・・
LIS行政書士事務所では、千葉県松戸市を拠点に、技術・人文知識・国際業務をはじめとする在留資格に関するご相談を承っています。
「会社を辞めたが、在留資格がどうなるか不安」という状況でも、不安をあおるのではなく、今の状況を一緒に整理いたします。
ご自身の状況でどのように対応すればよいか分からない場合は、早めに専門家へ確認することをおすすめします。

