建設業許可を維持するために配置している専任技術者が、突然退職してしまった、というご相談をいただくことがあります。
専任技術者は、建設業許可の要件に直結する重要な立場であるため、退職時の対応には特に注意が必要です。
この記事では、専任技術者が退職した場合に確認すべきことと、必要な手続きを整理します。
専任技術者の変更届の期限は「2週間以内」と、他の変更届より短く定められています。
まずは、退職後の対応の流れから確認していきましょう。
結論
専任技術者が退職した場合、建設業法に基づき、変更が生じた日から2週間以内に変更届出を行う必要があります。後任の専任技術者を確保できる場合は、その方の資格・実務経験等を証明する資料とともに届出を行います。
後任が確保できないまま専任技術者を欠いた状態が続くと、建設業許可の要件を満たさなくなり、許可の取消し等の対象となる可能性があります。
制度概要
建設業許可を受けるには、営業所ごとに、許可を受ける建設業の種類に対応した専任技術者を置くことが必要とされています(建設業法第7条第2号・第15条第2号)。専任技術者は、その営業所に常勤し、専らその職務に従事している必要があります。
なお、令和6年12月13日の制度改正により、専任技術者は「営業所技術者等」という名称に変更されています。本記事では、なじみのある「専任技術者」という呼び方で説明していますが、現在の正式名称は「営業所技術者等」です。
専任技術者(営業所技術者等)に変更があった場合、建設業法第11条第4項・第5項および同法施行規則第7条の2により、変更が生じた日から2週間以内に届出を行うことが定められています。
退職時に確認すべきこと
- 後任の専任技術者を確保できるかどうかをまず確認します。社内に資格や実務経験の要件を満たす人材がいるかを確認します。
- 後任が決まった場合は、変更届出書・営業所技術者等証明書等の必要書類を準備し、2週間以内に届出を行います。
- 後任の常勤性(その営業所に実際に常勤していること)を証明する資料(健康保険等の資格取得関係の通知、住民票等)も必要になることが多くあります。
- 後任が見つからない場合は、社内の他の拠点や関連会社等での対応可能性、または一時的な業種の休止等について、早急に検討する必要があります。
注意点
専任技術者を欠いた状態が続くと、その営業所においては許可の要件を満たさなくなり、最終的に許可の取消し等の対象となる可能性があります。
2週間という期限は、他の変更届(商号変更等の30日以内)より短く設定されているため、退職の意思を伝えられた時点で、できるだけ早く後任の確保に着手することが重要です。
実務上、退職の申し出を受けてから後任探しを始めると、2週間という期限に対応が追いつかないケースも見られます。日頃から複数名の専任技術者候補を把握しておくことをおすすめします。
よくある質問
専任技術者の退職が決まったが、後任が見つかりません。どうすればいいですか?
後任が見つからないまま専任技術者を欠いた状態が続くと、許可の要件を満たさなくなる可能性があります。社内での代替候補の確認や、業種の一部休止などの対応について、早めに専門家にご相談ください。
専任技術者が退職ではなく、急に亡くなった場合はどうなりますか?
死亡の場合も、退職と同様に、その事実を知った日から2週間以内に届出が必要とされています。予期せぬ事態であるため、速やかに行政庁や専門家に相談することをおすすめします。
専任技術者の名義だけ残して、実際には別の人が業務をしていても問題ありませんか?
実際に勤務していない人を専任技術者として届け出る、いわゆる名義貸しは、建設業法違反にあたる可能性があります。専任技術者は、その営業所に実際に常勤していることが前提とされています。
まとめ
専任技術者(営業所技術者等)の退職は、建設業許可の要件に直結する重要な問題です。変更届の期限は2週間以内と短いため、退職の意思を確認した時点で、後任の確保と届出の準備を早めに進めることが大切です。
LIS行政書士事務所では・・・
LIS行政書士事務所では、千葉県松戸市を拠点に、建設業許可の変更届・更新に関するご相談を承っています。
「専任技術者が退職することになったが、何から手を付ければいいか分からない」という状況でも、不安をあおるのではなく、必要な対応を一緒に整理いたします。
ご自身の会社の状況でどのように対応すればよいか分からない場合は、早めに専門家へ確認することをおすすめします。

